入院する その2
時間になったらご飯を配膳してくれて、食べ終わった食器も片づけてくれて、部屋の掃除もしてくれる。
このような優遇を受けていて、こんな事を言ってはアレだが、氏名やID、生年月日等がプリントされている腕輪を見る度に「品質管理をされている家畜のようだ」と思ってしまう。実際、真人間は僕のような楽に金を稼ごうとしている人間をブタと呼ぶかもしれない。
ああ、ブタでいいから早く出荷されたい。(訳:早く退院したい)
話は変わって、日中facebookを見ていると卒業旅行も相まってか、やたらと海外の写真がタイムラインを埋めている。その写真を見る度「おお、いいねー」と思うし、たまーに水着の写真があるとoh, yeahと思うし、とにかく海外に行った事のない僕にとってはどの写真も輝いて見える。
特に病室に籠りっきりになっていると、外への憧れが増していく。2日目でこれなら一週間後にはどうなってしまうのだろう。外気を吸った瞬間、涙を流すかもしれない。
しかし、ついに僕も海外行きが決まった。
(決まったというか、自分で勝手に決めたんだけど)
場所はマレーシア、タイ、カンボジア。東南アジアだ。
マレーシアと聞くと「水曜どうでしょう」のジャングル探検しか思い浮かばなくて、田舎と呼べるまで文明が発達しているのか不安だったが、KL(クアラルンプール)は意外と都会みたいだ。
マレーシアの目的はKL(クアラルンプール)の学校に留学している友人に会う事及び、フィリピン留学に行った同居人との合流なので、これと言って観光面では期待はしていない。
・・・というか、なんでクアラルンプールがKLなんだよ!って思いませんか。
僕は思いました。略すならKPじゃないのか、と。
しかしこれ、「クアラルン・プール」ではなくて「クアラ・ルンプール」なんですね。外国の地名わかんね…。ちなみにマレーシア語で「泥が合流する場所」らしい。なんだろう、土石流とかあったのかな。川かな。まぁいいや。
3月の終わりくらいに出発するので、それまでに色々と勉強して行こう。
初海外に胸を躍らせるのはいいが、如何せんパスポートも持っていないので、まずは戸籍抄本を実家から取り寄せる事から始めようと思う。