百薬の長とキチガイ水
今年も例年通り、クリスマス様様で世の中は賑わっており、案の定バイト帰りのサザンテラスはカップルで溢れていた。
美女×美男カップルは以外は、帰って鍋でもつついてればいい、そう思った。
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話は変わり、この時期はクリスマス、忘年会、大晦日といったイベントがあり、何処もかしこも繁忙期である。
閑古鳥はピーピー鳴かないが、多くのバイトがヒーヒー泣いているのだろう。
そして今月20日、忘年会シーズン頭に僕らマカロニも某居酒屋で忘年会を開いた。
マカロニ誕生以来初となる9人が集まるビックイベントだ。
「20時だよ!全員集合!」という謳い文句のはずだったが、21時を過ぎるあたりでようやく過半数が集まるというスロースタートであった。
しかし、スローなのも最初だけ。21時以降は爆発的な盛り上がりを見せた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、22時を過ぎた時の事だった。
住人の一人が何気なくトイレに立ち、僕らはその後に控えていた同居人Aのサプライズについて話をしていた。
「家に帰ったら、まずケーキを冷蔵庫から出して、それから…」
どこからともなく「キャッ」という声が聞こえた気がした。そして向かいの住人も驚いている。
なんとなく、嫌な予感がした。
そして振り向き、嫌な予感が的中してしまったのを目の当たりにする。
先程トイレに立った同居人Mが倒れていた。
さっきまで赤く、桜餅のような色をしていた頬は大福のように白い。
思わず駆け寄り、声をかけた。
「大丈夫か!?」
そう声をかけるが、Mは反応しない。どこか遠くを見ているようだった。
彼は何を見ていたのか。先日行ったらしい一泊12000円のラブホテルが見えていたのかもしれない。
流石にこの事態には焦った。尻餅をつく、ならまだしも、完璧な仰臥位(あおむけ)だったのだ。
お店の女将さんも駆け寄り、店内にいた他のお客さんも心配していた。
声をかけているとMも意識がはっきりしてきたようだったので、僕は肩に彼をかついで
外へ出ようとした。
しかし、僕が思っている以上に彼は重くて持ち上がらなかった。
「この、デブ」
不謹慎だが、そう思った。
しかし、その後住人数名でなんとか彼を外に担ぎ出す事になんとか成功した。
僕が足を持ち、同居人Kが彼の上半身を支えた。
「出荷されるブタのようだ」
運ばれている彼を見て、そう思った。
外へ出るとMの意識はしっかりしていた。どうやら運んでいる最中にMはひっそりとゲロったらしい。
僕は大丈夫だったのだが、上半身担当のKは見事に被ゲロしていた。
「下半身担当で良かった」、心からそう思った。
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今だから面白おかしく話せますが、この事件が起きた時は本当に焦りました。
この後Mは奇跡の復活を遂げて忘年会を楽しむんですけどね。本当に無事で良かったです。
今年も残すとこ数日、年末はついついお酒を飲み過ぎてしまいますが容量用法を守って楽しく飲みましょう。