記憶をたどって山手線の思い出を書く その5
前回のはなし
上野でお腹を満たし、まだまだ軽い足取りで御徒町へ出発!途中、御徒町で日本の職人技に触れ、サブカルチャーの聖地「秋葉原」へ向かったのでした。
しばらく書いてきたこの山手線シリーズですが、後2~3回で終わりにする予定です。
この記事を読んでいる奇特な読者のみなさん、どうかもう少しお付き合いください。
さて、2k540を抜けた筆者たちはあっさりと秋葉原に到着しました。
いやー、本当にいるんですね。
長袖シャツをズボンにイン、背中にはこだわりのないリュック。想像していた通りの
姿がそこにはありました。頭にバンダナを巻いていたら完璧です。
という仕込みの冗談はさておき、「秋葉原=オタクの街」と思っていた筆者ですが、みなさんは秋葉原にどのようなイメージを持っていますか?AKB?アニメ?電機街?
いずれにせよ信者の方や根強いファンの方が、各々の方面にお熱になっている姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、実際の秋葉原は思ったよりもライトなんですね。ちょっとショックでした。
駅にたむろする人は新宿・池袋にもいそうな人ばかりだし、カップルの姿も多くみかけました。メイドの売り込みはいたものの、サンシャイン通りでもよく見かけるし、そのへんの街とあまり変わらなかったです。
今やAKBも国民的なアイドルとなり、深夜アニメもリア充()が見る時代。秋葉原もだいぶ市民権を得 たのでしょうか。オタクがはびこるニッチな街!というイメージも既に古いものなのかもしれません。
そんな時代の波を感じつつ、次に向かったのは神田駅。
上野~神田駅間あたりまでが所謂「東京の下町」と思っていましたが、下町を正確にエリア化するのは難しいようです。下町も震災・戦災などで大きく形を変えてきて、下町という存在もあやふやなものになってしまったかららしいです。確かに下町と言ってもビル街も多かったし、下町も開発されてきたのでしょう。「下町といったら義理と人情!昭和レトロの街並み!」を感じたい方は、浅草や銀座にいけばよろしいかと思います。
ちなみに、下町の反対は山の手。東京でいうと品川~田端駅間のことをさし、お察しの通り、山手線の由来にもなっています。
神田駅自体の感想は…ないですね。
というか、ここから浜松町駅付近まで特に感想はないです。
というのも、半日歩き続けたことで蓄積した疲労+永遠に続くんじゃないのと思わせる無個性なビル街、の最強タッグで道中を楽しむ余裕が無くなってきていたのです。
いや、でも、せっかくだし記憶に残っていることを箇条書きしておきます。
あまりのひどさに自分の記憶を疑ってしまいました。
しかし、残念ながらこれが全てです。
山手線の駅数は全て29駅あり、池袋から数えると新橋~浜松町駅あたりでちょうど折り返し地点。
しかし、この時既に日が傾きはじめており、「今日中に踏破できるのか…?」という不安感が筆者たちを襲います。そして、歩くたびに感じる疲労感。
街並みを楽しんでいた余裕はどこへやら、山手線後半に入り筆者たちの口数はますます減っていく一方なのでした。
その6へ続く。